運命は、変えられる。
帝王学では、運命を「(宿命 + 環境)× 在り方」という方程式で表します。生まれ持ったものと、生まれ育った家は選べません。しかし、どんな姿勢で生きるかは、今日から自分で選べます。だからこそ、運命は自分の手で変えていけるのです。
この記事では、帝王学に伝わる「運命の方程式」をもとに、思うようにいかない人生をどう動かしていけばいいのかを、私自身の経験も交えながらお伝えします。
「親ガチャ」で、人生は決まってしまうのか?
数年前、「親ガチャ」という言葉が流行りました。
カプセルトイのガチャガチャのように、どんな親のもとに生まれるかは選べない。当たりを引けば人生は楽になり、外れを引けばずっと苦労する。そんな、少しあきらめの混じった言葉です。
この言葉が多くの人の心に刺さったのは、誰もが一度は感じたことがあるからでしょう。
「あの人は実家が裕福だから」
「もともと頭のいい家に生まれたから」
「どうせ私は、こういう星の下に生まれたから」
仕事がうまくいかない。お金の不安が消えない。人間関係で同じことを繰り返してしまう。そんなとき、人は自分の力ではどうにもならない「運命」のせいにしたくなります。
たしかに、生まれる家は選べません。しかし、それで人生のすべてが決まってしまうのかといえば、そうではありません。東洋の思想では、運命は生まれたときに決まりきっているものではなく、自分で動かしていけるものだと考えます。
その考え方を、ひとつの式にまとめたものが「運命の方程式」です。
帝王学の「運命の方程式」とは?
(宿命 + 環境)× 在り方 = 運命
これが、帝王学に伝わる運命の方程式です。ひとつずつ見ていきましょう。
宿命:生まれ持った才能と、果たす役割
宿命とは、生まれた瞬間に決まるものです。その人が生まれ持った才能や資質、そして今の人生で果たしていく使命や役割を表します。
宿命は、未来を言い当てる占いとは違います。「あなたは〇歳で結婚する」「この先、お金に困る」といったことを決めつけるものではありません。自分は何が得意なのか、どんなことに力を発揮できるのか。それを知るための、いわば「取扱説明書」のようなものです。
環境:生まれ育った家、時代、まわりの人
環境とは、生まれ育った家庭や時代、そしてまわりにいる人たちのことです。「親ガチャ」と呼ばれるのは、まさにこの部分です。
同じ日に、同じ時間に生まれた人がいたとしても、どんな家庭で、どんな人に囲まれて育つかによって、人生はまったく違うものになります。宿命が同じでも、環境が違えば、才能の伸び方も、出会う人も変わっていくのです。
在り方:どんな姿勢で生きるか
そして、もうひとつが「在り方」です。在り方については、少していねいに説明しておきます。
「在り方」とは?
在り方とは、ひと言でいえば生き方、生きる姿勢のことです。
何を大切にして、どんな気持ちで毎日を過ごしているのか。
人と向き合うとき、どんな態度をとるのか。
壁にぶつかったとき、逃げるのか、向き合うのか。
こうした日々の選択の積み重ねが、その人の生きる姿勢をつくっていきます。
たとえば、同じように仕事でミスをしても、「運が悪かった」で終わらせる人もいれば、「次はどうすれば防げるか」を考える人もいます。同じように理不尽な目にあっても、人のせいにし続ける人もいれば、「ここから自分にできることは何か」と切り替える人もいます。
どちらが正しいかを決めつける必要はありません。ただ、この小さな違いが、何年もたつと驚くほど大きな差になって表れます。
なぜ「生きる姿勢」がいちばん大事なのか?
もう一度、方程式をよく見てください。
(宿命 + 環境)× 在り方 = 運命
宿命と環境は、足し算でつながっています。在り方だけが、掛け算になっています。
どんなに才能に恵まれていても、どんなに環境が整っていても、生きる姿勢が伴わなければ、掛け算の結果は小さくなってしまいます。恵まれた家に生まれ、才能もあったのに、人生がうまく回らなくなってしまう人がいるのは、このためです。
逆に、「親ガチャに外れた」と感じていても、生き方しだいで掛け算の結果は大きく変わります。選べなかったものの差を、選べるもので取り返していける。運命の方程式が伝えているのは、そういうことです。
42歳、何もわからず起業した私が学んだこと
ここで、私自身の話をさせてください。
私が起業したのは42歳のときです。それまでは専業主婦でした。
東京・中央区に、自然食品店を開きました。経営のことも、集客のことも、何もわからないまま起業に飛び込んだのです。今振り返ると、度胸だけはあったと思います。
しかし、経営はまったくできていませんでした。店は毎月赤字続き。公庫の融資も、貯金も、すべて使い果たしました。挙げ句の果てには、手持ちのブランド品を片っ端から売って、なんとか資金を作っていました。
なぜ、あれほどうまくいかなかったのか。
今ならわかります。私は、運気が停滞する時期に、事業をスタートさせていたのです。どれだけ動いても、空回りしてしまう。そういう時期だったのだと思います。
その時期、私はビジネスをがっつり学びました。売上の立て方、お客様との向き合い方、伝え方。店の赤字を止めるために、必死で学び続けました。
そして、停滞の時期が終わったとき。新しく立ち上げた食育の講座は、わずか4人からのスタートでした。そこから毎月、倍々で人が増え続け、多いときには1クラスに40人近くが通ってくださるようになりました。
コツコツがんばること。
代償を先払いすること。
そして、運気の流れに乗ること。
この3つが大事だったのだと、あとになって腑に落ちました。
宿命も、環境も、すぐには変わりません。しかし、生きる姿勢を変えた瞬間から、運命は少しずつ動き始めます。あの赤字の日々に学び続けたことが、流れが変わったときに一気に花開いたのだと思います。
今日から生きる姿勢を変える、3つの問いかけ
生きる姿勢は、特別な修行で身につけるものではありません。毎日の小さな選択に表れます。迷ったときは、次の3つを自分に問いかけてみてください。
1. 私は、どんな人でありたいのか
コツコツと人の役に立つ人でありたいのか。自分から先頭に立つ人でありたいのか。まずは、目指す姿を言葉にしてみましょう。
2. それは、自分で選んでいるか
なんとなく流されていないか。決めることを、人まかせにしていないか。同じ行動でも、自分で選んだと自覚しているかどうかで、結果の受け止め方が変わります。
3. 今、変えられるものは何か
生まれた家や過去は変えられません。しかし、今日の行動、付き合う人、学ぶことは変えられます。変えられないものではなく、変えられるものに力を注ぎましょう。
よくある質問
Q. 宿命は占いと同じですか?
A. 違います。宿命は、未来を言い当てるものではありません。生まれ持った才能や資質、そして使命や役割を知るための考え方です。自分の強みや、力を発揮しやすい場面を知ることで、人生の選択に迷いにくくなります。
Q. 親ガチャに外れたら、運命は変えられないのですか?
A. 変えられます。環境には、変えられる環境と、変えられない環境があります。生まれた家や時代は変えられません。しかし、住む場所、働く場所、付き合う人、学ぶ場所は、自分で選び直すことができます。そして方程式では、在り方だけが掛け算です。生きる姿勢は、今日からでも選べます。
Q. 運気の流れは、どうすればわかりますか?
A. 帝王学や算命学では、生年月日から、その人の宿命や運気の流れを読み解きます。今が攻めどきなのか、力を蓄える時期なのかを知っておくと、うまくいかないときにも必要以上に自分を責めずにすみます。
まとめ:選べないものより、選べるものに力を注ぐ
運命は、「(宿命 + 環境)× 在り方」で決まります。
生まれ持った才能や役割、そして生まれ育った環境は、自分では選べません。しかし、その上でどんな姿勢で生きるかは、いつからでも自分で選べます。そして、その生きる姿勢こそが、運命を大きく動かす掛け算の部分です。
親ガチャを嘆くより、今日の自分の選択に目を向けてみてください。
あなたの人生の舵は、あなたが握っています。
この記事を書いた人
ギール里映
軍師/株式会社天風 代表取締役/女性起業家支援協会(FEA)創設者
経営者の「軍師」として、事業の中に入り込み、ともに動く伴走型の経営支援を行う。42歳で専業主婦から起業し、食育事業を立ち上げて全国に約300人の講師を育成。事業譲渡を経て、帝王学の師のもとで学び、現在は軍師として活動している。



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