太れない人の原因は2つのタイプに分けられる
こんにちは、食べかたコンサルタント ギール里映です。
世の中、いつも常にダイエットブーム。日本人は女性、それも若年層の女性に痩せたい願望が多く、それが社会的に問題になっているほど。過度なダイエット、過食、拒食など、食べかたにつまづき体を壊してしまうケースもすくなくありません。
女性はいつの時代でも「痩せたい」というか、きれいになりたいと思うもの。痩せているほうがカッコいい、美人だという価値観があったりもします。
また、病気や生活習慣病などから脱却するために痩せたい、と願う人も多いですね。
太れないほうが深刻〜痩せるより実は難しい
しかしですね、実は痩せることって、案外簡単なんです。
簡単というと、多くのダイエッターからお叱りを受けるかもしれませんが……
食事をちょっと見直して、今よりもいいものに変えたりすると、大体の日本人は(西洋人もですが)案外簡単に痩せていきます。
そもそも食べすぎていることが多いのが現代人ですから、食べる量を適性にすること、食べるリズムを整えることで、適正体重になっていくものです。
ダイエットを始めると、しばらくしたら体重減少はとまって、適正体重になっていきます。
急激に痩せるような極端なダイエットをしなければ、リバウンドも起こりづらい。
しかし、痩せたい人よりも深刻なのは「太れない人たち」です。
もともと太れない体質という人がいます。原因はさまざまですが、
こういう方たちの場合の多くは、胃腸や消化吸収のシステムになんらかの問題があります。
胃薬が一番売れる国ニッポン〜果たして自分は大丈夫?
明らかに消化に問題があるなあと自覚症状がある場合はわかりますが、そうでなくても胃腸に負担がかかっている場合があります。
胃薬を飲むまでではないけれど、自分は一体大丈夫?
簡単にセルフチェックができる胃腸のための5つのチェックポイントがありますので、それぞれみていきましょう。
<チェックポイント1> 上唇
上唇は、胃の状態を表しています。
上唇が最近薄い、
色がどす黒くなってきた、
反対に膨らんできた
色がうすーく白くなってきた
唇がかさかさになる、とか、唇のきわに吹き出物がでる、とか
これらは全て、胃からのサインです。
食べすぎや塩気の多いもの、味の濃いものを食べすぎていると、胃はぎゅぎゅーっと硬くなります。
そうなると上唇の縦の幅が薄くなります。
色が濃くなるのは、血液がどろどろしてきた証拠です。もともと唇はきれいなピンク色をしているものですが、血液の色が変わると唇の色も変わります。
また反対に、唇がふわっと膨れてきたり、上唇と皮膚の境界線が曖昧になってきたら、それは砂糖などの甘いものが多いことを表しています。
普段から自分の唇は、よく観察しておきたいですね。
<チェックポイント2> 下唇
下唇は、腸を表しています。
上唇と同じように、色が黒いのか、白いのか、形が膨らんでるのか薄いのか、乾燥しているのか吹き出物がでているのか。
下唇の状態は、腸(大腸・小腸)の状態を表しています。
唇に起こっている状況と同じことが腸にも起こっていると考えられます。
ぶわっと膨れた下唇だと大腸もぶわっと膨張していると言えますし、唇がカサカサしていたら、腸の中も乾燥してカサカサしているのです。(もちろん内臓ですから本当にカサカサしているわけではないですが、必要な水分が足りていないという状態になっている、という感じです。)
<チェックポイント3> おでこ
おでこのシワ、ありますか?
おでこの横ジワが気になる、という女性も多いですね。
おでこは大腸の状態を表しています。
もし横ジワがいっぱいあるなら、それは腸がすこしたるんで、緩んでいる状態ということになります。
お酒をたくさん飲む方や、甘いものをたくさん食べる方は、どうしても腸がたるみやすくなります。
<チェックポイント4> 自覚症状
痛い、重い、硬いという感覚があったり、
たぷたぷ、ちゃぷちゃぷ音がする、とか
口臭がある、吐く息が臭いというのもあります。
口臭は、マスクをすると自分でもわかりますよね^^;
胃腸は肝臓や腎臓とは違って、自覚症状を感じやすい臓器です。
緊張でムカムカしたり、胃がきりきりする、なんていうときもありますし、胃に穴があきそうと思うこともあります。
もし何かちょっと感じるのであれば、そのサインは見逃さないでくださいね。
<チェックポイント5> お医者さんの助けを借りる
胃カメラやバリウムなど、胃の検査は通常の健康診断でも受けることが可能です。
どうしても気になる場合は、検査を受けてみましょう。
胃の萎縮、胃炎、ポリープ、胃がん・・・
さまざまな胃のトラブルは、胃の検査で見つけやすいものです。
自己判断で市販の胃腸薬を飲みすぎたり、サプリメントも注意が必要です。
いくら胃によい、と言われていても、それを消化することがそもそも胃の負担になりかねないからです。
自分の体の状態をなるべく正しく知ること、とても大事です。
かならず何か原因がある〜太れない2つの原因とは
チェックをしてみて何らかの問題を見つけたら、今度はその原因を探ります。
原因には、大きく分けて2つのタイプがあります。
この2つのタイプの見極めを間違うと、どちらも「よかれ」と思ってしていることが
却って悪いことをしていることになってしまうので、少し、注意が必要です。
では、その2つのタイプとは?
原因1 内臓の緩み過ぎからくる消化不良
胃腸をはじめ、内臓の組織が緩み切ってしまっていて、せっかく食べたものをうまく消化吸収できないという状態です。
内臓が緩んでいるというのは、胃下垂や、脱腸、脱子宮などがあります。
人の内臓は体の中で、適正な位置にいるからこそきちんと機能してくれるわけで、その配置がずれるだけで不具合が生じます。
胃下垂の人は太らない、なんていいますよね。
昔は、「太らないなんて、うらやましい」と思っていましたが、長い目で見たら胃に負担をかけ続けていることになるので、決して、良いことではないのです。
原因2 内臓の締まり過ぎからくる消化不良
内臓でも特に胃は、ストレスを嫌います。
忙しすぎるライフスタイルやプレッシャーの大きい仕事や環境で、内臓がぎゅーっと萎縮してしまうことがあります。
また食べるものに塩分が多かったり、動物性が多かったりすると、それもまたぎゅーっと内臓をしめてしまいます。
ちょっと汚いたとえ話で失礼しますが、例えばお肉や卵をたくさん食べたら、便が硬くなりますし、そのため便秘にもなりやすい。
また、パンなど小麦を焼き締めたものも、便を硬くします。それはパンが内臓にある水分を吸収してどろどろになり、それが腸の中で滞留しやすくなるからです。
原因3 太れない原因は他にもいっぱい!!
もちろん、原因は他にもあります。
内臓や体自体の問題、つまり「体質」もありますし、もしかしたら何か重篤な病気で太れないのかもしれない。
最近はあまりないですが、一昔前はお腹に寄生虫がいると太らないということで、寄生虫を飲む人がいたとか、いないとか・・・
太れない原因は、本当に人それぞれです。
自分が一体なぜ太れないのか、その原因として考えられるものを一つずつリストアップしていき、一つずつみていくしかありません。
気の長いプロセスのように感じるかもしれませんが、自分の体は自分の魂の乗り物です。大切に、しっかりと向き合って、少しでもよい状態にしていきたいですよね。
原因がわかったらさあ、解決しよう!
「太らない」という症状の原因は、このように一つではないのです。
このような2つのタイプは、それぞれ原因が全く違いますので、
ただ単純に、太るために「コメをがっつりたべる」「プロテイン飲む」などという対処方法では解決できません。
私たちはいつも、簡単に問題が解決するものに飛びついて、一生懸命やってみるのですが、なかなか結果に結びつかないとすぐに飽きてしまいますし、また結果に結びついたら気を抜いてしまい、元の木網に戻ることもあります。
しかし人の体は、たくさんカロリーや栄養を摂ると太り、食べないと痩せる、というように、単純なものではありません。
また一過性の急激な食事療法やダイエットは、体に大きな負担をかけることが多く、その結果長い年月積み重ねていくうちに、大きな症状に繋がることも考えられます。
太りたい、も痩せたい、も、結局は地味に、毎日食べ続けている食事次第です。
毎日地味だけど、それが3ヶ月、1年、10年と積み重なることで、大きな力を発揮します。
毎日の食こそが、人を変えます。
だからこそ、その毎日は豪華絢爛という意味ではなく、何よりも豊かなものにしたいし、そして何よりも美味しく、心が満足するものであってほしい。そのベースがあるからこそ、時折行う食事改善がより効果を発揮します。
では一体太れない人は、どうやって太ればいいのでしょう。
内臓が緩んでいる場合〜緩ませてしまう3大食べ物とは?
まず、このタイプの方の見分けかたは、チェック項目の上唇、下唇にあります。
唇の色が薄かったり、唇がぶわっと腫れているという状態です。
酒は薬か毒か〜お酒の素性を考える
こうなる方の原因は、まずお酒。
量の多い、少ない、という基準がすこしわかりづらく、これは個々のお酒の許容量にもよります。
あきらかに一升瓶3本飲んだら多いですが、そういうことではなく、お酒をどれだけ習慣的に飲むのかがポイントです。
毎日飲む方の胃は、つねにアルコールで軽く炎症を起こしている状態になっている、
と考えてください。
よくアルコールは肝臓にわるい、なんて言われますが、胃にも、当然悪い。アルコールは消毒にも使われるぐらい、刺激のあるものです。
1日1杯のワインならむしろカラダにいい、と言われることもありますが、これも賛否両論あります。
お酒はドラッグの一種ですが合法なので、成人ならば誰でも飲めます。
しかし、もともとドラッグ扱いでしたし、なんなら20世期初頭は禁酒法という法律がアメリカであったぐらいですから、それほど人の体に与える影響が大きいものであると、認識されていたということですね。
それがいま、自動販売機で誰でも買える時代。
やっぱり、砂糖があやしい?
続いて、お酒を飲まない人の場合。
お酒は飲まない、もしくは飲めない、という理由で全く飲まない人でも内臓が緩む場合は、ずばり、砂糖の取りすぎです。
ケーキやクッキー、チョコレートなど、甘いものの摂取が多い人は胃腸がゆるみます。
砂糖がたくさん入ったドリンクもですね。
しかし、これらの甘いもの、スイーツはあまり食べていないよ??という方でも、油断はできません。
なぜなら通常和食では、調理にもたくさん砂糖を使うからです。
いわゆる、甘辛味。照り焼きソースやバーベキューソース、丼物のタレやめんつゆ、ケチャップ、ドレッシング、煮物、漬物・・・また、レトルトや冷凍食品などの加工品には、必ずと言っていいほど砂糖が入っています。
そのため、甘いものを食べていなくても案外多くの砂糖を摂っているのです。
甘いもの、のなかには、フルーツも入ります。
フルーツは体にいいから、ビタミンが豊富だから、食物繊維がたっぷりだから食べるようにしているという人も多いですが、フルーツも食べすぎると体を冷やしますし、内臓をゆるめます。
春の花粉症や鼻炎の原因にもなりますので、フルーツの食べ過ぎにも、ご注意くださいね。
もはや食品じゃないものが内臓を緩めている?
そしてなんといっても、胃腸を緩めてしまう最強の食材があります。
胃腸に最も悪い食材、それは食品ではありません。
その正体は、化学物質です。
野菜に使われる農薬や、加工品に使われる添加物はもちろん、病院やドラッグストアで手に入れるお薬も体の組織をゆるめます。
病院で薬を処方してもらうと、必ず胃腸のお薬がでますよね。「胃を荒らすのでこちらも一緒に出しておきますね」と。それはつまり薬が胃腸に負担をかけているということになります。
もし内臓が緩んでいそうなら、まず内臓を緩めている原因になるものを取り払うところから始めないと、いくらプロテインを飲んでも、たくさん食べても、それは無駄になるばかりか、却って内臓に負担をかける原因になりかねません。
まずは「減らしていく」「食べない、飲まない期間をつくる」を、やってみていただきたい。
内臓が締まりすぎているタイプ〜内臓を硬くする3大食べ物とは?
内臓が締まるってどういうこと??と思われたかもしれません。
締まる、とはつまり、キューっと萎縮してしまうようなそんな状態です。
日本語では、胃が縮むような体験をする、とか、緊張で胃がきゅっとなる、という表現をしますが、まさにそういう状態を表しています。
必要以上にストレスを感じて緊張しているとか、物理的に筋肉組織が硬くなってしまうこともそうです。
とにかくぎゅーっと固まってしまっているような状態です。
チェックポイントでは、唇の色をみます。色がどす黒かったり、また唇の縦幅が薄くなっているとしたら、ぎゅっとしまっていると判断することができます。
ちなみに私の父親は胃がんで亡くなりましたが、父の唇は信じられないぐらい薄く、どす黒くなりました。
では、これらの原因となっているものはなんでしょう。
塩分過多〜なにかと悪者にされる塩分過多の本当のところ
まず多いのは、塩のとり過ぎです。
塩でも、自然海塩のようにミネラルがたっぷり含まれているものは塩分過多になりにくいのですが、食卓塩などの精製塩は、塩化ナトリウムの塊なので、消化の負担がかかります。
ナメクジに塩をかけたら、きゅーっとなりますよね。(そして、溶ける!)
しかもこの塩分濃度というのは、普通に和食を食べていたらさほど気にすることはないのです。
よく塩分を控えるために、味噌や醤油なども使わないという方がいらっしゃいますが、むしろ適度な味噌や醤油は酵素など必要なものもとれますし、なにより塩よりも塩分濃度が低いわけですから、とり過ぎにはなりにくい。
塩分をとりすぎてしまう秘密は、添加物にあります。
例えばカップラーメン。この味を作るのに、たんぱく加水分解物、アミノ酸という添加物が使われます。
これに塩が加われば、美味しいスープができあがります。
しかしこれらの添加物は、たくさんの塩を入れないと「美味しい」と感じる味にならないので、そのためカップラーメンには想像以上の塩分が含まれているのです。
つまり、知らないうちにたくさん塩をとりすぎている!という状態になります。
また濃い味に慣れると、物足りなくなって味付けがどんどん濃くなっていきます。
食材の味や、薄味では物足りないように感じます。
そうなると、何にでもソース、醤油、めんつゆ、ドレッシングをかけないと食べられないという状態に。
そういう味覚の仕組みが、結果塩分とりすぎにつながっているのです。
私たちに適した塩分濃度は、0.8%と言われています。1リットルの水に対して8グラムの塩を入れた場合の塩分濃度です。
この0.8%というのは、人間の体液の塩分濃度と等しいので、このぐらいの濃さを本来は美味しいと感じます。最近は塩分濃度チェッカーなども手軽に手に入りますので、一度ご自身の食べているものの塩分を測ってみるのも面白いですね。
筋肉が付くはずが、却って痩せるのはなぜ?動物性食品
そして次に内臓を締めてしまうものは、動物性食品です。
それも動物のお肉のように血液をたくさん含んだものや、チーズのように塩分をたくさん含んだもの。お肉は消化するのに時間がかかります。つまり消化の負担がかかりやすい食品ということです。
また動物性の脂肪は、動物の体温が人間の体温よりも高いため、人間の体内では固まってしまうので、
それが結果として内臓や消化に負担をかけてしまいます。
「体重を増やすためには
筋肉をつけなくちゃいけない、
だからそのためにはタンパク質!
肉だよね!!」
なんて思っていたら、それが全く逆効果である場合があるというのは、このような理由からなのです。
食べ物、よりも食べかた
内臓をぎゅーっとストレスをかける最大のものは、食べ物よりも食べかたにあります。
まずは、食べすぎること。
ついつい付き合いで食べたくなくても食べる、とか、時間がきたから食べる、とか、お腹が減った減らないにかかわらず、なんとなく食べておく、ということはありませんか。
お腹が空いていないのに食べるのは、食べすぎということです。
また、明らかな食べすぎ。どか食い、やけ食い、ついついやってしまいませんか。
人は何かストレスを感じると、それを発散させたくなり、その中の一つにやけ食いがあります。
やけ酒に走る場合もありますね。
どちらにしろ、気持ちを落ち着かせるために食べているのですから、そこには食欲という正常な食べることへの欲求ではなく、精神的な欲望が絡んでいます。
そうやって食べることで、心は楽になるかもしれませんが、それは一瞬のできごとです。
食べ終わってしばらくしたら、満足感よりは猛烈な焦燥感や脱力、自己嫌悪に陥ったりもします。
やけ食い、したい気持ちはわかりますし、するなとはいいませんが、したあとの結果に対しては、知っておいてくださいね。
食べ過ぎには、もう一つの食べ過ぎがあります。それは、食べるものの種類が多すぎること。
日本人は食べ物のバリエーションが豊富です。
パン、ご飯、パスタ、ラーメン、そば、丼物・・・どれも私たちが日常的に食べているものですが、これほどいろんな国の食べ物を取り入れている国は他にはありません。
たくさんの種類の食べ物を食べると、それぞれに必要な消化酵素が異なりますから、消化の負担がかかります。
栄養学では「栄養バランスよく、いろんなものを食べるように」と言われますが、日本人の食文化のバリエーションは、ちょっと多すぎるなあと思います。イギリス人は朝にご飯は食べませんし、イタリア人は朝ごはんすら食べないのが一般的です。インド人はインド料理しか食べませんしね。
また、食べる時の気持ちも重要です。楽しく食事ができていますか。
家族と、恋人と、友達と、子どもと、一人で、と、食べる時には誰か仲間がいたりいなかったり。
どちらにせよ「楽しく」食べることが、何よりも消化力を上げてくれます。
穏やかな気持ちで食べ物に感謝して、味わって食べること。
これが体と心を健康にするために何より必要なことです。
忙しくてできない日があったとしても、ちょっとそのことを意識において、楽しく食べることを第一に食を選んでみてほしい。そうすれば必ず体はよい方向に反応して、より良いリターンを得られるようになります。